塾講師の実際の労働時間・給料・休日

塾講師

この記事で分かること
○塾講師の実際の労働時間と、定時に帰れない理由
〇塾講師の実際の休日と、休日が削れる原因
〇塾講師の給料
〇就職するにあたって確認した方がいいこと

塾講師の労働時間や給料、休日って求人票どおりなの?

塾講師の求人票は、待遇が良いように見えますが、実際の給料労働時間や給料、休日は求人票通りなのでしょうか?

結論から言うと、「求人票通りにいかないことの方が多い」です。

私はアルバイトや正社員で5年間の塾講師の経験がありますが、実際に働いてみると、労働時間は求人票に記載されているよりも長いし、時間外労働が多いので給料が見合っているとも思えませんでしたし、いろいろなイベントで休日は削れるし…ということが多かったです。

ここでは、正社員で塾講師になった場合の実際の労働時間と給料、休日について紹介していきます。就職活動の際に「聞いておけばよかった」と後悔したことも併せて紹介していくので、参考にしてください。

塾講師の実際の労働時間

塾講師の勤務時間は「13時~22時」の実働8時間であることが多いです。一般的な企業が休みである土曜日は、平日より少し早めの11時や12時から勤務が始まる塾もあります。

大抵の学習塾では週に1度、あるエリアにある校舎の先生を全員集めて行う会議があります。これは勤務時間の「13時~22時」の間に行われるかと思いきや、通常の勤務時間の1時間~2時間前に集まって行われることが多いです。

会議の後は通常の勤務をこなすので、労働時間は長くなります。

そして、勤務時間は「13時~22時」と決められていますが、様々な事情によって定時で帰れることはあまりないのが実態です。配属される校舎によりますが、毎日1~2時間は残業があるのが割と普通の部類です。

労働基準法第34条で、「労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない」と定められていますが、この休憩をちきんと取れることもあまりないです。

休憩時間をきちんと取れない原因や、定時に帰れない原因は以下のものが挙げられます。

  • 授業後の生徒対応や片付け、掃除
  • 膨大な事務仕事や採点、添削
  • 特別講習の動員や保護者会の準備
  • 生徒が自宅に着くであろう時間まで帰りにくい

定時で帰れない原因①授業後の生徒対応や片付け、掃除

授業が終わった後、生徒から授業で分からなかった問題や、学校の宿題で分からない問題を質問されることがあります。

生徒からの質問を無下にするわけにはいかないので、きちんと理解ができるまで対応をするのですが、これに時間がかかると定時では帰れなくなります。

大幅に時間がかかりそうな場合や、同じ質問が続くようなら「みんな理解できていないみたいだから、次の授業のはじめに改めて説明する」と言って、後日改めて答えるようにするのをおすすめします。

そして、授業後は板書を消したり、机や床を掃除しなければなりません。コロナ渦の今だと、机と椅子の消毒もあります。

これらの掃除や生徒の質問対応に時間がかかると帰る時間がどんどん遅くなりますし、授業後はその日の報告書を書かねばなりません。授業が終わったらあとは「帰るだけ」とはならないのです。

定時で帰れない原因②膨大な事務仕事や採点、添削

よく「生徒がいない時間は暇なんでしょ?」と言われますが、実は事務仕事が膨大にあって暇ではないです。具体的にどんな仕事をしているか聞かれると、時期によって変わるので明確には答えにくいのですが…

そして、学習塾も一企業なので、「利益」が重要視されます。学習塾の利益は「授業料」で、光熱費や家賃、人件費などの固定費は毎月ほぼ同じなので、生徒が増えれば増えるほど「利益」は増えます。

この「利益」を増やすために必要なのが「営業活動」です。チラシを学校付近で配ったり、校舎周辺の家のポストに投函したり。過去に模試や体験授業を受けてくれたご家庭に電話をかけて、塾に通う予定がないか伺ったりします。

加えて、お問い合わせがあったらアポをとって面談の日程を組み、資料を用意して対応をします。

これらの営業活動に加え、塾生の保護者に電話をかけて、塾での様子や学習状況を伝え、逆にご家庭での様子を聞いてコミュニケーションを取ります。

そして、塾では「模試」や学力の定着具合を確認する「テスト」が度々催されます。模試やテストは、会社の本部が採点してくれることもありますが、大抵は校舎で採点と添削をします。

生徒が多ければ多いほど採点するテストの量が多いうえ、本部で結果を集計して順位を出すので割と採点の締め切りがタイトなのです。他の仕事に押されてると、採点する時間もなくなり、定時後に急いで採点する…なんてこともザラにあります。

定時で帰れない原因③特別講習の動員や保護面談と保護者会の準備

普段から激務な塾講師ですが、夏期講習や冬期講習、春期講習など「特別講習」がある時期や、春と秋にある保護者面談がある時期は特に忙しくなります。

特別講習は通常の授業とは別に料金をいただく「オプション」で、塾のいちばんの稼ぎ時でもあります。そのため、この特別講習への「動員数」は強く求められ、申し込みが多く出るよう営業活動に奔走するのです。

オプションなので、外部の生徒の申し込みの確保はもちろんのこと、塾生に対しても「営業」を行います。塾生の保護者に対して営業を行う布石になるのが春や秋にある「保護者面談」と「保護者会」です。

春にある保護者会は、新学期を迎えて人員が新しくなったのなら、そのスタッフの紹介と、夏期講習の重要性を説明する場です。志望校に合格した元塾生を呼んで、「夏期講習を受けたおかげで合格できた」エピソードを話してもらうことも。

そして、保護者面談を各ご家庭と日程を組んで行います。保護者面談では、塾での学習状況を伝え、その時点での志望校の話しをします。生徒の学力と志望校への合格への道筋を考えて伝え、夏期講習の申し込みを促す場でもあります。

ご家庭に説明するために、校舎から通える学校の進路実績や校風、入試情報を調べておき、塾での学習状況を担当の先生にリサーチしなければなりません。

これは通常の業務に加えられるので、この時期に定時で帰るのは絶望的です。

定時で帰れない原因④生徒が自宅に着くであろう時間まで帰りにくい

生徒が塾から帰宅途中に何かあったとしたら、保護者は真っ先に塾へ電話をしてきます。そういった時に、「塾を閉めているから…」と電話に出られないのは、有り得ないと考える先生もいます。

そうすると、生徒が塾から出て30分は帰れないことになります。生徒は授業が終わったらすぐに帰るとは限りません。分からない問題の質問をしたり、進路相談をしたりする生徒もいれば、友達同士で話が盛り上がってなかなか帰らない生徒もいます。

その様な生徒が帰宅するのを待っていると、帰宅するのは定時後1~2時間経ってから、となることも少なくないのです。

番外編:授業の予習は労働時間に含まれる?

塾講師でいちばん重要な仕事は「生徒に勉強を教えて志望校に合格させる」ことです。そのために大切なのが、分かりやすい授業をすること。「分かりやすい授業をする」ために必要なのが「授業の予習」です。「教材研究」と言われることもあります。

この「授業の予習」は、労働時間に含まれないことがほとんどです。勤務時間でやる時間を確保するのが難しいのもありますが、人によって力の入れ具合が変わるうえに、慣れないうちは予習にとにかく時間がかかります。

初めて塾講師になるなら1コマにつき4時間くらい時間がかかるのが普通です。慣れてくると、単元の重要部分が分かるようになるので時間は短縮できるようにはなりますが…。

これを勤務時間で行うのは難しいので、自宅での予習を推奨されます。授業をでプリント使ったり小テストを行うなら、プリントを作ったり小テストを作ったりする時間もかかります。これも勤務時間でできたら良いのですが、予習と同様、難しいのが現状です。

この「授業の予習」や「教材作成」の時間を「労働時間」と捉えるなら、実働はもっと増えることになります。

塾講師の休日は求人票通りとはいかない

塾講師の休日は、「日曜日+平日1日」の週2日であることが多いです。

ただ、日曜日には志望校別対策など「特別講習」が組まれたり、学校の定期テスト前に「テスト対策」をしたりすることもあります。

この特別講習は、表向きは任意参加になっています。が、校舎のあるエリア全体でシフトを組んで授業を担当するので、「全く参加しない」というわけにはいきません。

誰かに負担が偏るのは公平ではありませんし、勤務を断り続けるのも人間関係にヒビが入ります。そして、人員が足りなかった場合、容赦なく動員されます。

また、学校の定期テスト対策を日曜日に行うかは校舎の責任者(校長や教室長)の判断に委ねられるケースが多いです。所属する校舎の責任者が日曜日に定期テスト対策を行うと決めれば、出勤しなければなりません。

高校入試の場合、内申の数字も合否に大きく影響してしまうので、「定期テスト対策行わない」わけにはいかず、日曜日にテスト対策をする先生が多数派です。

なお、日曜日に行う「特別講習」も「定期テスト対策」も、休日出勤の扱いで振替休日は取れません。通常の授業は固定シフトを組んでいるので、休みにくいからです。

そのため、日曜日の休みが潰れるのは割と普通で、求人票に記載されているよりも休日が少ないのが実態です。

塾講師の給料は見合ってる?

塾講師の月給は、新卒で「21万円~25万円」が相場です。ボーナスは年に2回支給され、ボーナスの額は評価によって決定します。年収だと320万円~350万円が相場ですかね。

中途採用の場合は、前職の年収や経験、能力によって決まることが多く、一概には言えません。

これに、社会保険や家賃補助などの福利厚生がつきます。

新卒の給料としては、平均よりは多くもらえます。しかし、塾講師は時間外労働が多いです。時間外労働の全てに対して残業代が支給されるとは限りません。

特に「自己研鑽」の扱いになる授業の予習や、学校の校風や実績、入試情報をリサーチする時間に対価は発生しません。「自主的に行っていること」と見なされるからです。

これを、「労働」だと捉えるなら、労働時間の割にはお給料が低くなります。時給に換算したら、最低賃金よりも低くなるのも普通です。

そして、先ほど紹介したように、日曜日は特別講習」やテスト対策で出勤日になるのも日常茶飯事です。休日出勤として、お給料が支給されればいいのですが、されない場合もあります。特にテスト対策は「自主的に行っている」と見なされるので、支給されないことの方が多いです。

休日もどんどん潰れるうえに、労働時間に対して全て対価が発生するとは限りません。求人票に載っているよりは待遇が良いとは言えないのが実態です。

就職活動の際に確認した方がいいこと

私が実際に塾講師に就職してみて、就職活動の時に確認しておけばよかったと後悔したことを紹介します。

土曜日の営業時間は平日と異なっていないか

多くの学習塾では、営業日は月曜日~土曜日、営業時間は13時~22時です。

ただ、一般的な企業が休みかつ学校が休みの土曜日は、通常の営業時間より1~2時間早くから開始する場合もあります。定時は通常と変わらないので、1~2時間労働時間が増えます。

私の確認不足ではあるのですが、求人票に営業時間は13時~22時とだけ書いてあったため、土曜日もこの時間だと思っていました。実際には土曜日は12時から勤務が始まると知り、確認しておけばよかったと後悔しました。

会議が始まる時間

大抵の学習塾では、週に1度、周辺にある校舎の先生方で集まって会議を開きます。入社前にこの会議の存在は知っていたのですが、勤務時間である13時~22時のどこかで行うものかと思いきや、勤務時間前に行うものでした。

通常は12時から始まり、月に1度11時から始まる時もあり、拍子抜けしたことを覚えています。土曜日の勤務時間は12時からだったので、週に2回、12時~22時勤務でした。長時間労働になるので、体力的に厳しかったです。

日曜日に特別講習やテスト対策があるか

日曜日には、志望校別対策をする「特別講習」や学校の定期テスト前に「テスト対策」を行うことがあります。

この「特別講習」があるかと、「テスト対策」があるかは必ず確認した方がいいと思います。ある場合は、この勤務がどのような扱いになっているかも併せて確認しておきましょう。

休日出勤扱いになって、きちんと手当や給料が支払われるのか。それとも、元から給料に組み込まれているのか。給料が支払われない場合、振替休日を取れるのか。これは学習塾によって変わってしまうので、働いた分の対価は絶対ほしい人はきちんと確認してしてください。

最後に

塾講師の労働時間・給料・休日は、求人票通りかと言われると、そうとは限らないのが実態です。休日に出勤するのは珍しいことではありませんし、「自己研鑽」という名の時間外労働がたくさんあるのも事実です。やりがい搾取だと言われても仕方のない面もたくさんあります。

実際、塾講師を長く続けている人は、仕事を仕事だと思っていない人しか残っていません。休日でも楽しんで自ら仕事をする人のみ残っています。

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