
休みがない…
秋を越えて11月に入ると、冬期講習の準備がはじまる時期になります。その少し前から、各ご家庭との個人面談がはじまり、秋の保護者会の準備に入っています。
受験本番が近づくこの時期は忙しいだけでなく、精神的負担も大きくなっているのが特徴的です。冬期講習が終われば受験シーズンに入るので、冬期講習前~入試までは基本的に休めずノンストップで駆け抜けます。
また、冬期講習も夏期講習と同じように会社から「売り上げ」を強く求められます。冬期講習前は「売り上げ」のために営業活動に奔走し、はじまったら長時間労働と精神的負担に右往左往する…という夏期講習とは違った大変さがある時期なのです。
冬期講習前は営業に追われる
冬期講習は、通常の授業とは別に料金をいただく「オプション」であることが多いです。そのため、冬期講習を受講するように「営業」をしなければなりません。
その営業の布石になるのが、秋の個人面談と保護者会です。
春と同じように各ご家庭と面談をし、学習状況やご家庭での様子を聞き、現状の課題などを共有します。受験学年以外は春で行う面談と大差はありません。
ただ、受験学年の場合は、志望校や併願校を決定する大切な面談になります。首都圏の学習塾では、学校の選択肢が膨大にあります。
校舎から通い安い学校の進学、入試情報、併願できる学校を調べておき、生徒の学力に合わせて現実的な受験プランを提案しなければなりません。春の個人面談以上に豊富な受験の知識が必要になる、大変な面談です。
秋の保護者会では、受験に向けてご家庭でしてほしいことのお願いと、受験について説明をします。併せて、各科目の基礎の確認と復習、入試の演習を冬期講習で行うと説明し、この期間に勉強を絶えず行っておくことが必要なのだと説得するのです。
夏期講習と同様、塾生は特別な事情がない限りは全員参加。申し込みがないご家庭でには、繰り返し電話をかけます。また、外部の生徒の確保もしなければないので、過去に模試や体験授業を受けてくれたご家庭に営業の電話をします。
営業の電話を続けながら、教材の準備と予習、時間割と座席表の作成をするハードスケジュールです。
冬期講習の営業とテスト対策が重なる
当たり前ですが、冬期講習前は学校が休みに入る12月下旬から1月1週にかけて行われます。冬期講習前は学校の定期テストが行われるので、営業活動と重なるのです。
受験学年にとっては、志望校に提出する内申の数字が決定する大切なテストです。いつも以上にテストで良い点数をとってもらわなければなりません。そのため、テスト対策も入念に行います。
日曜日も校舎を開けてテスト対策を行うことが多いでしょうし、冬期講習に向けて営業活動や準備も行います。この期間は夏期講習以来の繫忙期になります。
冬期講習中に休みはなし!
冬期講習は夏期講習と違って期間が1週間と少しくらいしかありません。そして、冬期講習が終われば受験本番前!
受験シーズンに入れば、日曜日に校舎を開けて生徒の自習室として開放することもあります。入試が終わるまで、基本的に塾講師に休みはないと思った方がいいです。
講習期間中は、基本的に授業出ずっぱりで、普段から行っている事務仕事もあります。毎日10時間は校舎に拘束される生活で、校舎から自宅が遠かったら、帰れないこともあるでしょう。休憩時間もなかなか取れないと思います。
加えて、この時期は受験前にまとまって対策をできる最後の機会です。各科目の基礎の再確認、演習、時間配分の調整…と夏期講習よりも授業の内容に気をつかいます。
さらに、受験本番まで少ない時間で、生徒や保護者が不安定になることもあります。小さな変化に気づいて適切なフォローをしなければならないので、期間は短くても夏期講習よりは体感的には忙しくなります。
冬期講習~入試まで精神的負担がかかる
冬期講習が終われば、受験シーズンが始まります。入試まで積み重ねてきたものの結果が3月には全て出揃います。生徒にとっては、入試までの努力の結果が、塾講師にとっては、生徒の成長の一助になれたのか、指導者としての評価が出ます。
本命入試までは胃の痛い毎日で、時にパニックになった保護者から電話がかかってくることもあります。併願校に合格できなかった生徒には、前を向けるように激励の言葉をかけるか、真剣でない態度を注意しなければなりません。
どちらが生徒に必要な言葉なのかは、あなたが見極めて判断をします。
また、入試では、生徒全員が志望校に合格できるとは限りません。合格する生徒がいる裏で、残念ながら結果に終わってしまう生徒がいるのも事実。親子そろって大号泣なんて状況もあります。
そのような時、生徒その経験をどう受け止めて今後の人生を歩むのか。それは声掛けによって変わってきてしまう、怖い場面でもあるのです。
もちろん、生徒の保護者からは「合格」を期待されます。結果によってはご家庭からお怒りの言葉をいただくこともあれば、感謝されることもあります。
そんな時、あなたはどんな言葉を返しますか?
最後に
校舎の合格実績は、翌年の校舎運営に影響します。できるだけ進学実績や上位校に合格してもらわなければなりません。
会社からも保護者からも入試の結果は期待をされますし、プレッシャーも夏と比べものにならないくらい重たくなります。
そして、冬期講習から入試が終わるまではそのプレッシャーと戦いながら、生徒や保護者のフォローし、激務もこなします。
あまり休める時がありませんが、無理をしすぎず、入試本番に向けて頑張ってください。