塾講師はやりがい搾取が多い?

塾講師

塾講師はやりがい搾取が多いってよく聞く…

塾講師はやりがい搾取が多いのは本当なのでしょうか?

ぶっちゃけて言うと、アルバイトでも正社員でもやりがい搾取は多いのが現実です。

とはいえ、塾に限らず学校の教員でも「やりがい搾取」は多いですよね。教育業界は全体的に「やりがい搾取」といわれる要素が多い職種なのです。

やりがい搾取が増えてしまう要因としては、「生徒のために」と考えたら無限に仕事が増えていくことが挙げられます。そして、「生徒のために」と考え、授業を工夫したり、分かりやすいようにプリントを作ったりする時間は「労働時間」に含まれないのがほとんど。

お給料が発生しないので「やりがい搾取」になってしまうのです。

塾において、やりがい搾取になる仕事をまとめてみました。

1.授業の予習

塾で授業をするためには、授業の予習が欠かせません。その日に扱う単元を確認して板書案を考え、演習問題はあらかじめ解いて、解説を考えておくのです。

この予習を怠ると授業が上手くいかずグダグダになり、生徒から「分かりにくい」と思われ、最悪生徒からの信頼がなくなります。

そのため、授業の予習は絶対欠かせないものなのですが…正社員でもアルバイトでも、これは「労働時間」には含まれません。

アルバイトの場合はコマ給といって、授業の時間だけお給料が発生する形態であることが多いです。「授業の時間だけ」お給料が発生するので、授業をするのに必要な予習の時間にお給料は発生しません。

予習に時間をかければかけるほど、時給は下がっていきます。特に塾講師になったばかりの頃は、授業の作り方や進め方、生徒とのコミュニケーションの取り方などを知らず、慣れていませんから予習に膨大な時間がかかります。

正社員でも、授業以外の仕事が膨大なので、勤務時間で予習ができるのは稀です。なかには、自宅で予習をすることを推奨される場合もあります。

2.プリントの作成、テストの作成

授業をするのに慣れたら、より分かりやすい授業にするためにプリントを作ったり、生徒の理解を定着させるためにテストを作成したりしたくなるかもしれません。

「生徒のために」授業を工夫し、教材を作成するのは、素晴らしいことです。

ただ、これも授業の予習と同様、「勤務時間」には含まれません。そして、一度はじめると止めにくくなってしまいます。

一度でもオリジナルプリントを作ると、生徒からは「この先生はプリントを使って授業をする人なんだ」と認識されます。場合によっては、プリントを作れなかった時に不満に思われることも。

自分の首をしめる結果になることもあるので、自分がずっと続けられるのか考えて作るようにしましょう。

3.過去問研究

受験学年を担当する場合、夏期講習後から過去問演習に入ります。通常の授業の時間に、生徒の志望校に合わせて問題を撰び、対策をします。

過去問演習の授業をするためには、事前に問題を解いて解説を考えなければならないので、時間外労働が発生してしまうのです。

加えて、問題を解く順番やペース、どんな問題が出やすいかも教えなければならないので、「過去問研究」が必要になります。中学入試や高校入試は地域によって問題の傾向も入試の形式も違うので、自分の出身地以外で塾講師をするなら、調べなきゃいけないことが山ほどあります。

そして、この「過去問研究」の時間も「労働時間」には含まれません。

ただ、生徒に問題を解かせてい間に、別の問題を解いたり解説を考えたりすることもできます。「やりがい搾取」にしたくないなら、授業を工夫して「勤務時間内」で過去問研究をしてしまいましょう。

4.生徒からの質問

授業時間外に生徒から質問されることが多々あります。授業で分からないことの質問だったり、学校の宿題で分からない問題を教えてほしい、など。

生徒からの質問を無下にするわけにはいきませんから、生徒が理解できるまで対応します。ただ、アルバイトの場合はコマ給しか支給されません。そのため、休憩時間がなくなったり、帰るのが遅くなったりしてしまいます。

そして、集団授業の塾で生徒の質問に個別対応しすぎると、さばききれなくなります。同じ質問が続くようだったり、みんなが分かってなさそうだったりする場合は、「次の授業でもう一度説明するね」とまとめて対応してしまいましょう。

勤務時間後の質問は、後日改めて対応するか、別の先生に引き継いで帰るのもアリです。だってお給料でませんもの。

5.日曜日の定期テスト対策、特別講習

学習塾は基本的に日曜日は休みであることが多いのですが、塾によっては日曜日に特別講習が組まれます。志望校別に集まって、入試対策をするのです。

特別講習の人員は、校舎のエリアによって分けられ、シフトで回します。表向きは任意で、やりたくなければやらなくてもいいことになっています。

が、先生が足りないと容赦なく動員されます。そして、シフトで回している以上、ずっと入らないというのは人間関係に軋轢を生みます。負担が不平等にならないようにしないといけないので、半強制的に動員されるのが現状です。

日曜の特別講習は、基本給とは別に給料が支払われることが多いです。しかし、役職があがると「特別講習に入らなければならない時間」が決められていて、特別講習で働いた時間分の給料が基本給や役職手当に含まれている場合もあります。

休日出勤しているはずなのに、基本給の別にお給料が発生しない理不尽なシステムです。

また、定期テスト前には「定期テスト対策」を日曜日に行うことがあります。塾にによっては「定期テスト対策」をすることが決められていることもありますが、「やりたければやってもいい」というスタンスなこともあります。

「やりたければやってもいい」場合は、お給料が発生しないのはもちろん、振替休日もありません。ただ働きのうえに貴重な休日が潰れます。

しかし、高校入試には「内申書」が合否に大きく影響するので、テスト対策をしないわけにもいかないですし、生徒にテスト勉強をさせるなら塾に呼び出した方が手っ取り早いのです。そのため、多くの先生は日曜日に校舎を開けて個人的に「テスト対策」をしています。

また、会社で「テスト対策」をすることが決められている場合でも、その時間が「見込み残業代」に入っていて、休日出勤手当が出ず、振替休日もないというパターンもあります。

最後に

塾講師に限らず、教育に関する仕事が「やりがい搾取」とされる原因は、授業に必要な予習の時間や教材作成の時間にお給料が発生しないことと、「生徒のために」と思ったら無限に仕事が増えることにあります。

「やりがい搾取」と言われてしまう側面があるのは、アルバイトであっても正社員であっても大差はありません。

ただ、生徒が今までできなかったことをできるようになった瞬間や、志望校に合格して嬉しそうな生徒の顔を見られた時、生徒の成長に寄り添えることは、何にも代えられない経験でもあります。

タイトルとURLをコピーしました