塾講師に休みはない?心が休まらない

塾講師

休日なのに予習が終わらない

せっかくの休日なのに、テスト対策や特別講習で休みにならなかった

気分転換で友達と遊びたいのに時間が合わない



塾講師は休日を休日らしく過ごすことが難しい職種です。

「教育業界」のさだめではあるのですが、「生徒のために」と思ったら無限に仕事が増えていきます。授業研究、教材研究、プリントや小テストの作成、過去問分析、学校研究など。

授業研究や教材研究、過去問分析は「自己研鑽」といわれ、人によってどれくらい力を入れるか異なるりますし、どのくらい時間がかかるのかも未知数なので、基本的には業務に含まれません。それがどれほど授業に必要な準備であっても、です。

塾講師の場合、それらの授業準備に加えて、校舎運営の仕事があります。ボランティアではなく企業なので、もちろん生徒数や夏期講習などの動員数字も求められます。

そのため、休日や業務前の時間を利用して「自己研鑽」をすることが多くなり、「休日なのに休めない」状態になりがちです。

休日を休日らしく過ごせない原因を分析してみました。

新入社員は教材研究で休日がつぶれる

新入社員には授業研究や教材研究などの「自己研鑽」なしで授業に挑むのは自殺行為です。グダグダの授業になって、生徒から「面白くない授業」と思われたり、下手したら信頼を獲得したりするのも難しくなってしまうからです。

そのため、多くの塾講師は休日や業務前の時間を使って予習などをすることが多くなります。友達と一緒に遊んでいても、授業や教材研究など仕事のことが頭にちらついて、全力で楽しむことができない…ということになることも。

はじめのうちは授業の作るのに慣れていないので、一つの授業や板書案を作るのに数時間はかかります。

単元の重さによっては、想定してた授業時間を超えても終わらない場合や、逆に短くなってしまって時間が余ることもあります。そういった時に調整する力も必要です。

慣れてくればその日に扱う単元の重要なポイントや要領が分かり、自分の授業スタイルも定まってくるので予習の時間を短縮することはできます。

しかし、正社員の場合、慣れた頃に授業数が増えます(だいたい夏期講習が終わった後)。授業に入らなければならないコマ数が決まっているので、時には苦手な科目も担当します。

そして、夏期講習が終われば受験本番が近づいているので、過去問分析もしなければなりません。新入社員にとっては、「予習」に追われて休日を全力で満喫するのは難しいのです。

保護者面談や進路指導では学校研究が必要

学習塾では、春と秋に保護者面談を実施します。生徒の塾での様子をご家庭にお伝えする場でもあり、ご家庭での学習状況を共有する場でもあります。そして、受験学年では志望校を決定する大切な行事です。

その時に必要になる知識が「学校の情報」です。

入試情報や校風、進路実績などを把握していなければ、おすすめの学校を紹介することができません。そして、生徒の志望校のことを何も知らないのは持っても他。

首都圏の場合は、学校が多く、路線によって通いやすさが変わるので立地の理解も必要になってきます。こればかりは実際に行ってみないと、乗り換えのしやすさや駅から学校までの時間など分かりません。

休日を利用して実際に学校まで足を運んだり、塾や学校関係者限定の学校説明会に参加したりする必要が出てくるのです。

また、首都圏の場合は、都内、神奈川、千葉、埼玉など場所によっては県を越えて受験する場合があります。都内の中学受験をするなら、「前受験」として本命入試の前に千葉や埼玉で受験の経験を積んみ、本命に手が届くのか最終確認するのがセオリー。

それらの学校まで調べる必要があるので、志望校決めが本格化する夏~秋にかけては忙しくなります。

校舎の異動があれば、少し離れただけで通いやすい学校が変わるため、またイチから学校の研究をしなければなりません。

オリジナルプリントは一度は作って授業をすると止めにくい

先生によっては、より授業を分かりやすくするためにオリジナルプリントを作ったり、テストを作ったり、スライドや動画を作る人もいます。

それで生徒の理解が深まって成績が上がるなら本望です。

しかし、一度そういったことをはじめると、生徒や保護者からは「オリジナルプリントや小テスト」を作る先生だと認識されます。すると、忙しくてプリントや小テストを作れなかった時に不満の種になってしまうとういう側面もあるのです。

生徒や保護者の満足度をあげて退塾を阻止するのも大切なので、不満を抱かせるないために一度オリジナルプリントや小テストを作ったら止めにくくなります。

ただでさえ忙しい塾講師です。そういった状況になると、勤務中に作れないのでさらに休日がなくなります。

学校が休み=塾の稼ぎ時!特別講習が組まれる

当たり前といえば当たり前なのですが、塾にとって学校が休みの時は稼ぎ時になります。よって、世間は休みでも塾は稼働します。

一般的な塾にある特別講習

  • 日曜特訓(志望校別の特別講習が多い)
  • GW特訓
  • お正月特訓



学校が休みの時は特別講習が組まれることが多く、大抵はシフトで回します。表向きは「やりたい人だけやればいい」となっていますが、エリアによって担当校舎が決まっているうえにシフトで回すので、基本的には強制参加。

大型連休やお正月、日曜日が休みの塾は少数派です。

休みたくても人手が足りなければ容赦なく動員されます。

定期テストや受験本番前は休みでも校舎を開ける

中学校の定期テスト前は、塾が休みの日曜日も校舎を開けてテスト対策をすることが多いです。高校受験の場合は内申書も重要なので、テストで良い点を取ってもらわなければならないからです。

よって、休日返上で勤務することになります。

塾によっては会社で日曜日にテスト対策をすることを決められていますが、「塾講師が個人的に対策したいからしている」場合もあります。

会社で決められている場合は、手当が出ますが、そうでない場合は手当は一切なし。ボランティアです。

ボランティアでなくても、「日曜日に勤務した時間を別の日の勤務日の時間を遅くして相殺」するケースもあります。でも、塾講師は激務です。仕事が山ほどあるので、勤務した分の時間をすべて相殺するのは難しいです。

そして、入試直前にも日曜日に校舎を開けることがあります。こうすることによってどんどん「休み」がなくなっていきます。

校長(教室長)になったらさらに休めない?

教材研究や学校研究は、3年ほど過ぎればある程度経験を積めるので落ち着きます。しかし、その頃にはどんなに昇進が遅くても校長や教室長になっている時期なので、別の業務が忙しくなって休日がなくなります。

学習塾では、一校舎あたり正社員の人数は1人~2人です。生徒数が多ければ配属される正社員の数も多くなりますが、だいたい生徒数40人で正社員1人が割り当てられます。

そして、塾業界は校長や教室長に昇進するのが「早い」という特徴があります。早くて入社後半年~1年、遅くても2~3年目には昇進するのです。

校舎に正社員が2人割り当てられる場合、組み合わせは「校長(教室長)+新入社員」であることが多く、新人教育の仕事が新たに加わります。

社員と休みが合うとは限らない

正社員が2人配属される場合、その組み合わせ「校長(教室長)+新入社員」であることが多いです。そして、休日は基本的に「日曜日+平日のどこか1日」の固定休日。

新入社員と校長の休みが合えばいいのですが、シフトの関係で合わせることができなかった場合、校長が休みの日は、右も左も分からない新入社員だけが現場に放り出されます。

校舎運営について研修を受けていればまだどうにかなりますが、多くの学習塾では、新入社員は入社後5日ほど本社で研修を受けたら現場に配属されます。その研修はビジネスマナーなど社会人の基本を学んだあとはひたすら授業研修です。校舎運営の具体的な仕事は現場で見て学ばないとならないのです。

右も左も分からない新入社員だけを現場に放り出すのは、校舎が上手く回らなくなりますし、新人にも酷です。新学期は校舎が上手く回るように気を張る時期でもあります。

そのため、4月~5月は新入社員を一人にしないために休日でも校舎に出勤する校長や教室長が多いのです。

校舎に出勤する必要がなくなったあとも、始業前にその日のうちにやっておいてほしい仕事の指示出しメールをしますし、常に校舎は大丈夫か心配するので、休日でも仕事のことが頭から離れません。

出世するとさらに休めない

校長からさらに昇進して、エリアにある校舎を統括する立場になると、休日がさらになくなります。

校舎の仕事や申請は、エリアを統括する人を通して本社に届きます。平日に休むと、その申請類や仕事を自分で止めてしまうことになります。

多くの学習塾では、仕事でGoogleアカウントを使用して事務仕事をします。昇進すると専用のGoogleアカウントを与えられることが多いです。そのGoogleアカウントは個人のスマホやパソコンでも使えるので、私用のスマホやパソコンでログインして、自宅でも仕事をしている人もいます。

せっかく有休をとって家族とお出かけをしているのに、私用のスマホやパソコンから仕事をしている先生もいて、「お休みなのにもったいない…」と思ったことがあります。

仕事とプライベートをハッキリ区切れないので、「休みがないのが嫌だ」と辞めていく先生も多いのだそうです。

最後に

教育業界全般そうではあるのですが、「教育」は仕事とプライベートの線を引くのが難しいです。「生徒のために」と思ったら無限に仕事が増えていくからです。そして、一度はじめたことは止めにくい。

実際、塾講師を長く続けている人は、「仕事を仕事だと思っていない人」しか残っていません。「休日でも授業を考えるのが楽しくて仕方がない」「早く生徒と授業をしたい」と楽しそうに、休みなく働いています。「楽しいこと」なので、休みがなくても苦痛にならないのです。

私は「プライベートと仕事はハッキリ分けたい」タイプなので塾講師には向きませんでした。長く続けている先生は本当に凄いと尊敬しています。

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